近年「嫌われる勇気」などで注目を集めているアドラー心理学をベースにしたコーチングです。

アルフレッド・アドラーは1920年に世界で初めて児童相談所を開設した精神科医です。

アドラーは不適切な行動をするなどの問題を抱えた当時の子どもたちの治療に取り組み、親子の問題について臨床を重ねました。それらを体系化したものが「アドラー心理学」(勇気づけの心理学)です。

子育てや人材育成と親和性がある心理学と言えます。


アドラー心理学の最終目標は「共同体感覚」を育てることにあります。

1.自分が好き(自己受容)(自己肯定感)
2.他者信頼 自分だけでなく、まわりにもOKを出せる状態
3.他者に貢献できる 自分が役に立っている感覚(誰かの役に立とうとする主体性)

この3つを感じられる、共同体感覚が高い人は幸福に生きることができるとアドラーは言っています。


子どもたちが幸せな人生を手に入れるために私たち親ができることは何でしょうか。

叱らない

子どもたちは「今を生きる」人たち。なかなか先を見越して行動ができません。

だからついつい「〇〇したの?」「早く〇〇しなさい!」「何度言ったらわかるの」と先回りしてガミガミ言ってしまいますよね。

そして「うるさいなぁ!」と反論されて更に関係が悪くなるという負のスパイラルに入ってしまいます。
もしくは「僕はダメなんだ」と子どもが自信をなくして動けなくなってしまいます。

また、子どもが失敗した時に「だから言ったでしょ」「もっと〇〇しなきゃダメでしょ」とついつい言ってしまうことはありませんか。

これも叱られることで失敗を恐れてチャレンジできない子になってしまいます。

失敗したということはチャレンジした証拠。
チャレンジした事を認めて次のチャレンジができるよう見守ります。

叱らず、見守り、応援することで子どもは自分のことを受け入れて自己肯定感を高めていけます。
また、どんな自分も受け止めてくれる親を信頼することができます。

褒めない

褒めて伸ばす「褒める育児」というのは聞いたことがあると思います。

しかし、アドラー心理学では「褒める」ことは「勇気くじき」につながると考えます。

皆さんは上司を「えらいね」と褒めますか?そんなことをしたら上司は馬鹿にされたと感じますよね。

褒めるというのは上から目線で相手を評価することにつながります。相手の行動の結果がこちらの期待に届いた時に使う言葉です。褒めることで自分の思ったようにコントロールしようとしています。

だから部下に「えらいね」と言われた上司は馬鹿にされたと感じます。

親子関係で言うと褒められないと行動しないという依存関係を生んでしまいます。

結果につながった過程に共感したり、貢献や協力にも注目することで子どもを「勇気づけ」れば主体性を持って行動する力になりますし、親は自分の味方だと感じられて信頼関係を気づくことにもつながります。

教えない

私たち大人は子どもよりも人生経験が豊富なので、どうしたら効率よく物事を進められるか知っています。

だから子どもがやっている事がもどかしく思えてついつい「〇〇したほうが良いよ」「こうやるんだよ」「こうしなわい!」と口出し、いや、アドバイスしたくなってしまいます。

子どもが困らないように、より良い方法を学べるように先回りして教えてしまいます。

たしかに親が教えた方法でやれば早く目的地に到達できます。

でも、それって本当に子どものためになっているのでしょうか。

子どもが自分で考えて、行動して、失敗して、新たな発見をして、再度チャレンジするというのが主体性ですよね。

大人が先に答えを教えてしまっては、自ら考えて行動する機会を奪うことになってしまいますし、何よりも身に付きません。

多少もどかしくても、失敗すると分かっていても、子どもの考えを尊重して見守る。

そして失敗した時は次のチャレンジを促し、助けて欲しいと言われた時に手を貸すことで、子どもは安心してトライアンドエラーを繰り返せるようになります。

課題の分離

「叱らない」「褒めない」「教えない」分かってはいるけれど、ついついやってしまいますよね。

その時に役立つ考え方で「課題の分離」というものがあります。

「課題の分離」とは自分の課題と他人の課題を切り分けて考えることです。

例えばゲームばかりしていて、宿題が間に合わなかった。ゲームばかりしていたという子どもの行為が、宿題が間に合わなくて先生に注意されるという結果として子ども自身に降りかかる。これは子どもが結果を経験して乗り越えるべき課題であって親が心配して口出しする問題ではないという考え方です。


上の例で「ゲームばかりしないで早く宿題をしなさい!」と親が口を出し、コントロールしようとすると、子どもは自分の領域に入って来られたと感じて「今やろうと思ってたのに!」「うるさいなぁ」と反発しますよね。そしてゲームをやめないか、イヤイヤ宿題をする。


課題の分離をして、子どもが実際に先生に叱られたり、授業についていけなくなったりしたら自分で「マズい」と思ってゲームの時間をコントロールするようになるでしょう。


親は心配して子どもの課題に口出しをするのではなく、自分で乗り越えてごらんと見守り、応援すれば、自立に向かいます。


横の関係

もう一つ大切な考え方に「横の関係」というのがあります。

横の関係とは、自分も相手も対等で協力し合える関係であるということ。

親子だと「正しい行動を教えてやらなければ」や「かわいそう、心配だから何とかしてあげなきゃ」と縦の関係になりがちです。

それが叱ったり、褒めたり、教えたりすることにつながるのですが、結果「依存」や「反発」を生んでしまいます。

たとえ相手が子どもでも、敬意と信頼をもって対等に接する。

そこから相互尊重と相互信頼がうまれ、子どもの自己肯定感、主体性、自立心が育まれます。

 

勇気づけ

最後にアドラー心理学は「勇気づけ」の心理学と言われるほど大切な「勇気づけ」です。

「勇気づけ」とは困難を克服する活力を与えること、育てることです。

「叱る」「褒める」「教える」は出来ていないところを指摘したり、相手を上から目線で評価したり、問題を克服できないと思っていたり、相手の勇気をくじくことにつながります。

「勇気づけ」は子どもに寄り添い、子どもが自信を持てる言葉がけをして、自分の力で困難を克服できるよう応援することです。

親は保護者ではなく応援者になることで、子どもはグンと成長します。


アドラー流子育てコーチングで子育てが楽になる

このようにアドラー流コーチングを子育てに取り入れると、親子の信頼関係が築かれ、子どもが主体的に動けるようになることで、イライラすることがなくなり子どもとの衝突もぐっと減ります。

親は安心して子どもを見守り、子どもも安心して自分らしく行動できるようになり、子育てがとっても楽になるのです。

子育てママのコーチング教室ではアドラー流子育てコーチング(日本親子コーチング協会認定コーチコース)を講師の子育て経験をお話しながらお伝えしています。

また、アドラー心理学を子育てに取り入れて、子育てを見直したいママ向けにコーチングセッションも行っています。

 

 

 

 

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親子の信頼関係を築いておけば、子どもが本格的な反抗期をむかえても安心して見守ることができるようになります。

アドラー流子育てコーチングを取り入れて、子どもとの関係をより良いものにして、子どもの生きる力を育んでいきましょう。