「うるせぇ」と言われた瞬間、心がバキッと折れたあなたへ
「宿題やったの?」と声をかけたら「うるせぇ!」 、「早く寝なさい」と言ったら「ウザい!」
これまで素直だったわが子から突然浴びせられる暴言。ショックで胸が痛みますよね。
「こんなに大切に育ててきたのに…」
「私の子育て、何か間違ってた?」
「こんな言葉を使う子になってしまったなんて…」
そんなふうに自分を責めていませんか?
でも、大丈夫。思春期の暴言は親子関係の崩壊ではなく、むしろ子どもが成長している証拠なのです。
この記事ではアドラー心理学をベースに、思春期の暴言への正しい対応法と、親子の信頼関係を取り戻す具体的な方法をお伝えします。
なぜ子どもは急に暴言を吐くようになるの?
思春期は「自立への第一歩」
思春期は、子どもが親から心理的に自立しようとする大切な時期です。
今まで「お母さんの言うことは正しい」と思っていたのが、「自分には自分の考えがある」「親の価値観を押し付けられたくない」という気持ちに変化します。
「うるせぇ」「ウザい」という言葉の裏には、こんな本音が隠れています:
- 「自分のことは自分で決めたい」
- 「もう子ども扱いしないでほしい」
- 「心配されるのがプレッシャー」
- 「自分のペースを邪魔されたくない」
つまり、暴言は「SOSのサイン」ではなく、「もう一人前として扱ってほしい」というメッセージなのです。
言葉の選び方がまだ未熟なだけ
大人なら「今は集中したいから後で話そう」と言えますが、思春期の子どもはまだそこまで言葉が洗練されていません。
不快な気持ちをストレートに言葉にすると、「うるせぇ」「ウザい」になってしまう、それが思春期なのです。
やってはいけないNG対応3つ
NG1:暴言に暴言で返す
「そんな言葉遣い許しません!」
「親に向かってなんて口をきくの!」
「あなたのために言ってるのに!」
気持ちはよくわかります。でも、感情的に返すと子どもは「やっぱり親はわかってくれない」と心を閉ざしてしまいます。
暴言の裏にある「自立したい」という気持ちを無視して、上下関係(タテの関係)で抑え込もうとすると、さらに反抗がエスカレートする悪循環に陥ります。
NG2:我慢して何も言わない
「怒ったら関係が悪くなるから…」と、グッと飲み込んで我慢する。
一見穏やかに見えますが、親が自分の気持ちを抑え込むと、ストレスが溜まって爆発したり、子どもが親は何を言っても許してくれると誤解します。
我慢は解決策ではありません。
NG3:「もういい!勝手にしなさい!」と突き放す
カッとなって突き放してしまうと、子どもは見捨てられたと感じ、孤独感を深めます。
思春期の子は強がっていても、心の奥では親の愛情を求めています。突き放すことは子どもの心の安全基地を壊してしまうのです。
【アドラー流】思春期の暴言への正しい対応法
ステップ1:まずは自分の感情を落ち着ける
「うるせぇ」と言われた瞬間、カッとするのは当然です。でも、その瞬間こそ、深呼吸。
アドラー心理学では、怒りは「二次感情」と言われています。怒りの奥には「不安」「悲しみ」「心配」など、本当の気持ちが隠れています。
「私は今、何に対して怒っているんだろう?」と自分に問いかけてみましょう。
- 「子どもの将来が心配だから?」
- 「自分が否定された気がして悲しいから?」
- 「こんなに頑張ってるのにわかってもらえないから?」
自分の本音に気づくだけで、心が少し楽になります。
ステップ2:暴言ではなく「本音」に耳を傾ける
子どもが「うるせぇ」と言ったとき、その言葉そのものではなく、「何を伝えたいのか」に意識を向けます。
例えば:
-
「宿題やった?」→「うるせぇ!」
子どもの本音:「今やろうと思ってたのに、言われるとやる気なくす」 -
「早く寝なさい」→「ウザい!」
子どもの本音:「まだやりたいことがあるのに、決めつけられたくない」
このように暴言の奥にある「自分で決めたい」という気持ちを理解することが、対話の第一歩です。
ステップ3:「Iメッセージ」で自分の気持ちを伝える
子どもを責めるのではなく、自分の気持ちを素直に伝えます。
❌「あなたはいつもそんな言い方をする」(Youメッセージ)
⭕「そういう言い方をされると、お母さん悲しいな」(Iメッセージ)
Iメッセージのポイントは:
- 「私は〜と感じる」と主語を「私」にする
- 相手を責めず、自分の正直な気持ちを伝える
- 命令ではなく、お願いの形で伝える
例:
「”うるせぇ”って言われると、お母さん傷つく。どうしてそう思ったのか、教えてくれる?」
こうすることで、子どもは親を傷つけたことに気づき、自分の言動を振り返る機会が生まれます。
ステップ4:「課題の分離」を意識する
アドラー心理学で最も重要な概念の一つが「課題の分離」です。
「これは誰の課題か?」を見極めることが鍵です。
例:宿題をやらない
- 子どもの課題:宿題をやるかやらないか、その結果(先生に怒られる、成績が下がる)
- 親の課題:子どもの将来を心配する気持ちとどう向き合うか
「宿題やりなさい」は、子どもの課題に踏み込んでいます。
課題の分離ができると:
- 「お母さんは応援してるよ。何か手伝えることがあったら言ってね?」
このように、子どもの主体性を尊重しながら、サポートに回ることができます。
ステップ5:「ヨコの関係」を築く
アドラー心理学では、親子関係を「タテ(上下)」ではなく「ヨコ(対等)」の関係にすることを大切にします。
タテの関係:
- 「親の言うことを聞きなさい」
- 「まだ子どもなんだから」
- 「あなたのためを思って言ってる」
ヨコの関係:
- 「あなたはどう思う?」
- 「お母さんはこう思うけど、あなたの意見も聞きたい」
- 「一緒に考えよう」
ヨコの関係を築くことで、子どもは「親は敵じゃない、味方だ」と感じ、心を開いてくれるようになります。
暴言が減り、対話が増える家庭の習慣5つ
習慣1:「質問」で会話を始める
指示や命令ではなく、質問で対話を始めると、子どもは自分で考える習慣がつきます。
例:
- 「今日はどんなことがあった?」
- 「その問題、どうしたいと思ってる?」
- 「何か手伝えることある?」
習慣2:「聞く8割、話す2割」
親が一方的に話すのではなく、子どもの話を最後まで聞くことを意識します。
聞く時のコツ:
- 途中で意見を挟まない
- 「そうなんだ」「それで?」と相づちを打つ
- スマホを置いて、目を見て聞く
習慣3:「失敗を責めない」
思春期は試行錯誤の時期です。失敗を責めると子どもはチャレンジしなくなります。
例:
テストの点数が悪かった時
❌「なんでこんな点数なの!」
⭕「思ったより取れなかったんだね。次はどうしたいと思う?」
習慣4:「感謝」を伝える
日常の小さなことにも「ありがとう」を伝えます。
- 「お皿運んでくれてありがとう」
- 「弟の面倒見てくれて助かったよ」
感謝されることで、子どもは「自分は役に立っている」と自己肯定感が育ちます。
習慣5:「親も完璧じゃない」と見せる
親も間違えることがある、と素直に認めることで、子どもも失敗を恐れず、素直でいられます。
例:
「さっきはつい怒っちゃってごめんね。お母さんも疲れてて余裕がなかったの。でも、言い方はよくなかったね」
それでも暴言が続く時は…
一人で抱え込まないで
思春期の子育ては、本当に大変です。真面目で一生懸命なお母さんほど、一人で悩みを抱えてしまいがち。
でも、「わかってるのにできない」のは、あなたがダメなんじゃありません。それは、ひとりでやろうとしていたからです。
専門家のサポートを受けることも選択肢
- 子育てコーチング
- カウンセリング
- 親子関係の専門講座
など、思春期の親子関係をサポートするプロの力を借りるのも一つの方法です。
当教室では、アドラー心理学をベースにした思春期子育てコーチング講座を開催しています。
「怒りをコントロールしたい」「子どもとの信頼関係を取り戻したい」「自分の子育てに自信を持ちたい」——そんなお母さんのための実践的な講座です。
まとめ:暴言の奥にある「成長」を信じて
思春期の「うるせぇ」「ウザい」は、確かに親として辛い言葉です。
でも、その言葉の奥には「自分で考えたい」「一人前として扱ってほしい」という成長のサインが隠れています。
大切なのは:
- 暴言そのものではなく、その奥の本音に耳を傾けること
- タテの関係ではなく、ヨコの関係を築くこと
- 子どもの主体性を信じて、見守ること
親が変わると、子どもも変わります。
一歩ずつ、焦らず、あなたのペースで大丈夫。
あなたはもう、十分頑張っています。
ここから先は、一緒に歩んでいきましょう。
- この記事を書いた人
- 佐藤夏美|日本親子コーチング協会認定マスターインストラクター
自身の過干渉な子育てを見直し、アドラー心理学と出会ったことで親子関係が劇的に改善。現在は思春期の子どもとの対話を大切にしながら、全国のママたちに「怒らず見守る子育て」をサポートしています。
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